絹(silk) / きぬ(シルク)
蚕の繭からとった動物繊維。
繭を製糸し、引き出した極細の繭糸を数本揃えて繰糸したそのままの絹糸を生糸と呼ぶ。
生糸をアルカリ性の薬品(石鹸・灰汁・曹達など)を用いて精練した物を練糸と呼ぶ。
この精錬作業によってセリシンという膠質成分を取り除くが、セシリンを100%取り除いた物は、セシリンを数%残した物に比べて光沢が劣る。
精錬作業に前者の手法が取られ始めたのは明治維新以降のことであり、それ以前の絹織物と現代の絹織物では外観と性質が異なっている。
また、養蚕して作る家蚕絹と、野性の繭を使う野蚕絹に分けられる。
木綿(cotton) / もめん(コットン)
ワタの種子から取ることが出来る。
ワタはアオイ科ワタ属の多年草の総称で、木綿は種子の周りに付いている。
摘み取った状態の物を棉、種子を取り除いたものが綿。
繊維としては伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよいが、縮みやすい。
麻(hemp) / あさ(ヘンプ)
本来の日本語ではアサ科アサ属の麻(大麻)から取られた植物繊維をさすが、アマ科の亜麻、イラクサ科の苧麻などを含めた植物繊維を麻と呼ぶようになっている。
本来の麻をその植物の丈が大きく成長する特徴から大麻(おおあさ、たいま)と呼称するようになった。
家庭用品品質表示法によって、麻の名称で流通させて良い繊維は亜麻と苧麻のみと規定されており、本来の麻は指定外繊維となっている。
亜麻(linen) / あま(リネン)
麻と呼ばれる繊維の中で、アマ科の一年草である亜麻の繊維を原料とする物。
苧麻(ramie) / ちょま(ラミー)
麻と呼ばれる繊維の中で、イラクサ科の宿根性の多年生の植物であるカラムシの繊維を原料とする物。
紵(お)、苧麻(ちょま)、青苧(あおそ)、山紵(やまお)、真麻(まお)、苧麻(まお)とも呼ばれる。
芭蕉布(manila hemp) / ばしょうふ(マニラ・ヘンプ)
バショウ科の多年草イトバショウの繊維から作られる。
沖縄県および奄美群島の特産品。
羅紗(wool) / らしゃ(ウール)
毛織物の一種。
一般的には羊毛を指すが、広義の意味では広義ではアンゴラ、アルパカ、ラクダの毛も含まれる。