絹糸は繭より引き出されるが、生糸に適さない品質の屑繭を真綿にし、そこから紡ぎ出された物が紬糸になる。
その糸を平織りで織り上げたもの。
また、木綿より紡いだ木綿糸を使用したものもある。

牛首紬 / うしくびつむぎ
通常一頭の蚕がひとつの繭を作るが、まれに二頭の蚕がひとつの繭を作ることがあり、これを玉繭とよぶ。
牛首紬は玉繭から直接紡ぎだした玉糸を緯糸に使い、通常の絹糸を経糸に使い織り上げられる。
釘を抜けるほど丈夫なことから釘抜紬(くぎぬきつむぎ)とも称される。
大島紬 / おおしまつむぎ
奄美大島の特産品で、手で紡いだ絹糸を泥染めしたものを手織りした平織りの絹布。
郡上紬 / ぐじょうつむぎ
岐阜県郡上市八幡町で産出される紬織物。
春繭から紡がれた糸を、植物染料を用いて染色し、織り上げられる。
塩沢紬 / しおざわつむぎ
新潟県南魚沼市で産出される紬織物。
経糸に生糸もしくは玉糸を使用し、緯糸に真綿手紡糸を使用し、手くくり、手摺り込みによる絣糸を一本一本合わせながら織り上げる。
信州紬 / しんしゅうつむぎ
長野県全域で産出される紬織物の総称。
生産地域によって、飯田紬、伊那紬、上田紬、松本紬、山繭紬、などに分かれている。
結城紬 / ゆうきつむぎ
茨城県の小山市~下野市付近、栃木県の結城市周辺で主に生産される紬織物。
真綿より手紡ぎした紬糸が経糸、緯糸に用いられる。
米沢紬 / よねざわつむぎ
山形県の米沢盆地周辺で産出される紬織物。
紅花や藍、刈安で草木染された紬糸、玉糸などを平織にするもので、絣模様が特色となっている。
その特徴が琉球紬に似ているものを、『米沢琉球紬』 略して米琉(よねりゅう)とよぶ。
長井町辺りが集散地であることから長井紬ともよばれる。
白鷹紬、白鷹御召とあわせて置賜紬(おきたまつむぎ)ともよばれる。
琉球紬 / りゅうきゅうつむぎ
沖縄県で産出される紬織物。
草木染めや泥染めされた紬糸を平織りして織り上げられる。
久米島で織られる久米島紬がよく知られている。