生地の図柄に合わせ、前もって染め分けた糸を絣糸とよぶ。
その絣糸を、経糸か緯糸、もしくはその両方に用いて織り上げ、文様を表したもの。
絣糸を経糸に使用するものを経絣、絣糸を緯糸に用いたものを緯絣、絣糸を経糸・緯糸の両方に使用したものを経緯絣とよぶ。

伊予絣 / いよかすり
愛媛県松山市とその周辺で主に産出する木綿絣の総称。
久留米絣、備後絣とともに日本三大絣の一つともされる。
今出鹿摺、道後絣ともよばれた。
久留米絣 / くるめがすり
福岡県久留米市、および周辺の旧久留米藩地域で主に産出する木綿絣の総称。
紺地に白または青の細かい絣柄が特色。
伊予絣、備後絣とともに日本三大絣の一つともされる。
備後絣 / びんごかすり
広島県福山市周辺で産出する木綿絣の総称。
伊予絣、久留米絣とともに日本三大絣の一つともされる。
伊勢崎絣 / いせざきかすり
群馬県伊勢崎市とその周辺で産出する絣織りの総称。
伊勢崎銘仙ともよばれる。
作州絣 / さくしゅうがすり
岡山県津山市周辺で産出する木綿絣。
佐々絣 / さっさがすり
尾張国丹羽郡森本村(愛知県一宮市)で、薩摩絣に似せて織り出した綿織物。
薩摩絣 / さつまがすり
薩摩で織られた絣の木綿織物。
琉球の織物は薩摩藩の統治下にあり、産物が薩摩を経由して流通した為、この名でよばれた。
元禄年間に鹿児島でも織られるようになり、戦後は宮崎県都城市を中心に織られている。
高級木綿絣織物として知られており、紺地のものを紺薩摩、白地に紺絣を白薩摩とよぶ。
十日町絣 / とおかまちがすり
新潟県十日町市とその周辺地域で産出する絹織物。
村山絣 / むらやまがすり
東京都武蔵村山市周辺で産出した木綿絣。
埼王県所沢を集散地としたところから所沢絣とも。
武蔵絣ともよばれる。
琉球絣 / りゅうきゅうがすり
かつては沖縄で織られている絣柄を総称していたが、現在は南風原産地で織られる絣織物を特に称する。
大和絣 / やまとがすり
奈良県大和高田市周辺で産出する木綿絣。
木綿の白絣として有名。紺絣も織られている。
近江上布 / おうみじょうふ
滋賀県湖東地方で産出される麻織物。
緯糸絣と経緯併用絣があり、緯糸絣は主に緯糸を羽根巻にして型紙捺染が行われる。
経緯併用絣は両糸に櫛押捺染をし、経糸と緯糸の絣を合わせながら織られる。
倉吉絣 / くらよしかすり
鳥取県倉吉市で江戸時代末期から織られるようになった織物。
絵画的な柄を織った絵絣や、さらに高度な綾織り、浮き織など様々な組織織も織られた。
弓浜絣、広瀬絣とともに山陰の三絵絣(三大絣)とよばれる。
弓浜絣 / ゆみはまがすり
鳥取県弓ヶ浜半島で産出する木綿絣。単に浜絣ともよばれる。
倉吉絣、広瀬絣とともに山陰の三絵絣(三大絣)とよばれる。
広瀬絣 / ひろせがすり
島根県安来市広瀬町(旧能義郡広瀬町)で産出する木綿絣。
弓浜絣、倉吉絣とともに山陰の三絵絣(三大絣)とよばれる。