絹織物の一つで、表面に『しぼ』と呼ばれるちぢれがあるもの。
経糸(縦糸)に撚りのない生糸、緯糸(横糸)に糊付けされた強撚糸を用いて織り上げた後、ソーダを混ぜた石鹸液で煮沸すると、繊維が縮み、緯糸の撚りが戻ろうとする事で、布面全体に細かい皺が生まれる。
京都の丹波地方と滋賀の長浜が二大産地として有名。
他にも新潟の五泉市、福井の春江町なども産地として知られています。
- 一越縮緬 / ひとこしちりめん
- 緯糸にS撚り、Z撚りの強撚り生糸を1本ずつ交互に用いて織り込んだ生地。
薄手で、しぼが小さく、表面がざらざらとした風に見える。 - 二越縮緬 / ふたこしちりめん
- 緯糸にS撚り、Z撚りの強撚り生糸を2本ずつ交互に用いて織り込んだ生地。
しぼが大きくなるのが特徴。類義語 : 古代縮緬 / こだいちりめん - 三越縮緬 / みこしちりめん
- 緯糸にS撚り、Z撚りの強撚り生糸を1本おきに用いて織り込む一越縮緬。
そのS撚り、Z撚りの強撚り生糸の間に、弱撚り生糸を入れることで収縮性を改良した生地。
薄手で、しぼが小さく、表面が滑らかで縮みにくい。 - 鬼シボ縮緬 / おにしぼちりめん
- 一般的な縮緬がS撚り、Z撚りの強撚り生糸を1~2本ずつ交互に用いて織り込むのに対して、同方向の強撚り生糸を4~6越連続して用いて織り込んだ生地。
しぼが大きいのが特徴。戦前は4越以上で作られたものを指していたが、近年は2越の物も含まれる。類義語 : 鶉縮緬 / うずらちりめん, 鎖縮緬 / くさりちりめん - 金紗縮緬 / きんしゃちりめん
- 通常の縮緬よりも細い生糸を用いて織られた生地。
しぼが細かく滑らかで光沢があり、軽い。 - 絽縮緬 / ろちりめん
- 通常の縮緬地の中に、搦み織の組織を入れて隙間を織り出した生地。
目が粗く、通気性が良い。 - 御召縮緬 / おめしちりめん
- 通常の縮緬は経糸に撚りのない糸を、緯糸にS撚り、Z撚りの強撚糸を交互に用いる事でしぼを出すが、経糸に八丁撚りという強撚糸を使い、緯糸にも御召緯という一般の縮緬よりも撚りの強い糸を使用する。
これにより、縮緬のしぼがより大きく、はっきりと現れる事に特徴がある。 - 紋綸子縮緬 / もんりんずちりめん
- 綾織りの表と裏を使って紋を出したもの。
- 紋意匠縮緬 / もんいしょうちりめん
- 経糸に駒撚糸、地緯に強撚糸、絵緯に生糸や諸撚糸、柞蚕糸などを用いた緯二重織縮緬。
- 縫取縮緬 / ぬいとりちりめん
- 装飾糸(金銀糸、ラメ糸、漆糸など)を用いて模様を表したもの。
模様の部分にだけ緯糸を通して織り込まれる。 - 駒綸子縮緬 / こまりんずちりめん
- 駒撚糸を経糸に用いた綸子生地。
通常4枚破れ斜紋の裏組織によって模様を表す。 - 駒緞子縮緬 / こまどんすちりめん
- 駒撚糸を経糸に用いた緞子生地。
5枚朱子の裏表組織によって綸子風の柄を表す。 - 山繭縮緬 / やままゆちりめん
- 縞糸に山繭糸を用いた縮緬。
- 五枚繻子縮緬 / ごまいしゅすちりめん
- 経糸、緯糸ともに5本で一単位が構成され、綜絖を5枚用いて織った繻子織のこと。
- 繻子意匠縮緬 / しゅすいしょうちりめん
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